20年近く前、私が北関東に住んでいた頃、次の日が休みの夜には、彼(のちに夫)とドライブに行くことがよくありました。
その頃はよく意味不明なものを見たのですが、この時にもよくわからないものを見たのです。
川の土手を走る変なもの
それは二本の棒が足のように交互に動きながら、車の速度(時速60キロくらい)の横に並んで走っています。
助手席側から何となく、川の土手を見ていた私は慌てて彼に言いました。
運転していた彼もちらっと見て
「何?何あれ?何なの?」
恐怖と言うより?マーク。棒二本はグンとスピードを上げると、車の左斜め前で直角に曲がり車の前に飛び出してきました。
「ええええええ?!!!!」
動いている車の前方に助手席側から直角に曲がることなんて、物理的にできないはずです。
なのに、その棒は直角に曲がって車の前に飛び出してきました。
「ああああああああ」
二人で身を固くしたのですが、何の衝撃もありません。棒は飛び出した瞬間に消えてしまったようです。
怖かったのはその棒の正体がわからないと言うこと。
幽霊と呼ばれる人間の死後の姿にはどうしても見えなかったんです。茶色いただの棒。
無機物が意思を持ったように走ってきて、こちらを認識して前方に飛び出す。
怖かった・・・。
もし彼がブレーキを踏んでいたら、事故になっていたかもしれません。
そしてもっと怖いのが、土手の反対側は当時パチンコ屋などが並びとても明るい町だったこと。
土手の方だけに闇が張り付いていたんですよね・・・。川があるので仕方ないとは思いますが。
そしてその後数年が経ち、怖すぎる実話怪談 結城伸夫+逢魔プロジェクト の中で同じような怪談を見つけました。二本の棒が走る・・・!
シリーズどの本だったのかは忘れてしまいましたが、雲谷斎さん(結城伸夫さん)の本はとても読みやすく、私の体験談(立花月夜として)も掲載されていますので、機会があったら読んでみてくださいね。
今でも彼が「怖かった」と言うお話でした。
20年以上前から実話怪談を集める雲谷斎さん(結城伸夫さん)の珠玉の怪談本
怖すぎる実話怪談 瘴気の章 (文庫ぎんが堂) [ 結城伸夫+逢魔プロジェクト ]
怖すぎる実話怪談 亡者の章 (文庫ぎんが堂) [ 結城伸夫+逢魔プロジェクト ]
怖すぎる実話怪談 怨嗟の章 (文庫ぎんが堂) [ 結城伸夫+逢魔プロジェクト ]